

関係代名詞にはчтоとктоがある。以下の例文を見てほしい。
1)Тот, кто не работает, не ест.
働かざる者、食うべからず
2)То, что важно, нельзя откладывать.
大切なことは、後回しにしてはいけない。
ところで、ここで改めて、「関係詞」の文構造について、確認しておきたい。
関係詞というものは、主文内のある名詞と、その名詞を説明する補足文の関係を示す、
言わば「しるし」のようなものである。
これはつまり、言い換えると、主文内と補足文内に共通する名詞がなければ、
そもそも二つの文をくっつけることはできないということだ。
そこで、例文の1)と2)をよく見てみると、то や тот が主文内の名詞代わりで、
что や кто が補足文の名詞代わりになっていることがわかるだろう。
例文1)の тот も кто も「人」の代名詞として使われている。
同様に、例文2)の то も что も「こと/もの」の代名詞として使われている。
そこで、кто および что を関係代名詞として使うときの規則を説明する。
まず、тот, кто や то, что のように、指示詞+кто/что をセットで使う。
ちなみに кто は男性名詞扱い、что は中性名詞扱いである。
ただし、тот も тоも、性数や、主文内での格に合わせて変化させること。
| 主格形 | 対格形 | 与格形 | 生格形 | 前置格形 | 造格形 | |
| 男性修飾形 | то́т | то́т | тому́ | того́ | том | тем |
| 中性修飾形 | то | то | тому́ | того́ | том | тем |
| 女性修飾形 | та | ту | той | той | той | той |
| 複数修飾形 | те | те | тем | тех | тех | те́ми |
そして、ктоとчтоは、後続する文中での格にあわせて変化する。
кто(誰);単数複数の区別なし
| 主格形 | 対格形 | 与格形 | 生格形 | 前置格形 | 造格形 | |
| 誰 | кто | кого́ | кому́ | кого́ | ком | кем |
что(何);単数複数の区別なし
| 主格形 | 対格形 | 与格形 | 生格形 | 前置格形 | 造格形 | |
| 何 | что | что | чему́ | чего́ | чём | чем |
以下、それぞれの格を使った例文を挙げておく。
1)То, что он думает, очевидно.
彼が考えていることは明らかだ。
2)Я понял то, что он думает.
私は、彼が考えていることを理解した。
3)Я узнал то, чему он удивился.
私は、彼が驚いたものに気が付いた。
4)Я не знаю того, чего он хочет.
私は、彼が欲しがっているものを知らない。
5)Я понял то, о чём он думает.
私は、彼が考えていることを理解した。
6)Я знаю то, чем он занят.
私は、彼が取り組んでいることを知っている。
ちなみに、例文4) того は「知らないもの」の否定生格、чего は「欲しい物」の生格。
тоをве́сьに変えて言う形もある。
| 主格形 | 対格形 | 与格形 | 生格形 | 前置格形 | 造格形 | |
| 男性修飾形 | ве́сь | ве́сь | всему́ | всего́ | всём | всем |
| 中性修飾形 | всё | всё | всему́ | всего́ | всём | всем |
| 女性修飾形 | вся́ | всю́ | все́й | все́й | все́й | все́й |
| 複数修飾形 | все́ | все́ | все́м | все́х | все́х | все́ми |
1)Тот, кто держи́т обеща́ния, вы́зывает дове́рие.
約束を守る人は、信頼される。
2)Я зна́ю того́, кого́ ты лю́бишь.
私は、君が好きな人(男性)を知っている。
Я зна́ю ту́, кого́ ты лю́бишь.
私は、君が好きな人(女性)を知っている。
3)Он не слу́шал того́, кому́ не ве́рил.
彼は、信じていない人のことは聞かなかった。
4)Она́ избега́ет того́, кого́ бои́тся.
彼女は、怖い人を避けている。
5)Мы говори́ли о том, о ко́м он расска́зывал.
私たちは、彼が話していた人について話した。
6)Я пригласи́л того́, с кем рабо́таю, к себе́ домо́й.
私は、一緒に働いている人を家に招いた。
文法的には「関係詞」に分類すべきではないが、見た目が一緒で混乱しそうなものや、
意味的にも重なる部分が多い構文について触れる。
文法的な視点からは区別したほうがいいが、実際の使用では気にすることではない。
1)То, что ты меня любишь, очевидно.
君が私を愛しているということは、明らかだ。
2)Я знаю то, что ты меня любишь.
私は、君が私を愛しているということを知っている。
3)Я удивился тому, что ты меня любишь.
私は、君が私を愛しているということに驚いた。
4)Я не сомневаюсь в том, что ты меня любишь.
私は、君が私を愛しているということを疑っていない。
5)Я говорил о том, что ты меня любишь.
私は、君が私を愛しているということについて話した。
6)Я гордится тем, что ты меня любишь.
私は、君が私を愛しているということを誇りに思っている。
下の例の他、「いつ」や「どこ」などの疑問詞でも文を作ることができる。
1)Я не зна́ю, что он хо́чет.
私は、彼が何を欲しがっているのか知らない。
2)Она́ объясни́ла, что происхо́дит.
彼女は、何が起きているのか説明した。
1)Я спро́сил, кто э́то сде́лал.
私は、誰がそれをやったのか尋ねた。
2)Он не зна́ет, кто придёт.
彼は、誰が来るのか知らない。
1)Я ду́мал, что он придёт.
私は、彼が来ると思っていた。
2)Я поду́мал, что э́то пра́вда.
私は、それは本当だと思った。
3)Она́ ду́мает, что всё бу́дет хорошо́.
彼女は、すべてうまくいくと思っている。
1)Мне показа́лось, что он уста́л.
彼は疲れているように思えた。
2)Ей показа́лось, что кто́-то позва́л её.
誰かが彼女を呼んだように思えた。
1)Я был рад, что ты пришёл.
君が来てくれてうれしいと思った。
2)Мне жа́ль, что я не успе́л.
間に合わなかったのが残念だと思った。