10課-Step2 関係詞・その他 初級編

10課-Step2 関係詞・その他 初級編

10-2 体系を理解しよう!~その1~

関係詞とその周辺

概説:関係詞とは

例えば、「最新型のスマホ」を話題にして、場面を思い浮かべてみよう。

 

1)私は最新のスマホを探している。
      Я ищу́ но́вый смартфо́н.
2)私はアップルが最近出したスマホを探している。
      Я ищу́ смартфо́н, кото́рый Apple неда́вно выпусти́ла.

 

1)について、「どのスマホか?」と聞かれたときの答えは、「最新のスマホ」である。
では、2)についてはどうか。きっと、「アップルが最近出したスマホ」と答えるだろう。

 

つまり、…, который Apple недавно выпустила の部分は、
「探しているスマホがどのスマホか」を説明する文である。
そしてкоторый は、直前の смартфо́н を説明する文であることを示す「しるし」である。

 

また、次のように説明することもできる。2)の文は、主文 Я ищу́ смартфо́н.に、
どのスマホかを説明する補足文 Apple неда́вно выпусти́ла が組み込まれているが、
主文と説明文の関係をはっきり示すように置かれているのが который という語である。

 

このように、【名詞 + который + 説明文】 のような語句を作るための
которыйのような語を、総称して「関係詞」と呼ぶ。

 

「関係詞」について、当サイトでは以下のように分類する。

 

関係詞
・1)関係形容詞:который / какой / чей
・2)関係代名詞:что / кто
・3)関係副詞:где / куда / откуда / когда / как / почему / зачем

 

また、関係的な構文として、次のようなものもある。
・1)【動詞 + что 文】
・2)【то + что 文】

 

 

「関係詞」は、見てのとおり、これまで勉強してきた数々の疑問詞である。
それらは、「関係詞」としても使われることについて理解する必要がある。
そして、それらの関係詞は、「関係形容詞」「関係代名詞」「関係副詞」のように
品詞の性質によって分類することができる。
ただし、что については、「関係詞」以外の使い方にも注意が必要である。

関係形容詞

関係形容詞には、который および、чейкакойがある。
そこで、которыйという、関係形容詞の代表である語について、まず説明する。
それに続けて、чейкакойについて説明することにする。

 

関係形容詞 который について

まず大枠となる説明で「無生物名詞, который+説明文」という文型を取り上げる。
それに続けて、補足①として「生物名詞, который+説明文」、
補足②としてより複雑な構造の文型について説明する。

 

無生物名詞 , который +説明文

まずは、「私はアップルが最近出したスマホを探している。」という例文で、
которыйの語形変化の要素である、性・数および格形について説明する。

 

例えば、「私はアップルが最近出したスマホを探している。」という例文は、
以下のような、二つの文によって作られていることを確認してほしい。
・1)Я ищу́ смартфон.                 私はスマホを探している。
・2)Apple недавно выпустила смартфон.    アップルが最近スマホを出した。
1)と2)の二つの文を一つにまとめてロシア語で言うと次のようになる。
      Я ищу́ смартфон, который Apple недавно выпустила (-----) .

 

つまり、1)と2)の二つの文に共通しているのは「смартфон」だが、
文が一つにまとめられたとき、2)の文中の смартфон は、(-----)のように省略され、
かわりに、которыйが使われる。それによって、主文と説明文の関係が示される。

 

ここで気を付けなければならないのは、который の語形変化である。
続けて、語形変化の手順について説明する。

主格形 対格形 与格形 生格形 前置格形 造格形
男性修飾形 кото́рый кото́рый кото́рому кото́рого кото́ром кото́рым
中性修飾形 кото́рое кото́рое кото́рому кото́рого кото́ром кото́рым
女性修飾形 кото́рая кото́рую кото́рой кото́рой кото́рой кото́рой
複数修飾形 кото́рые кото́рые кото́рым кото́рых кото́рых кото́рыми

語形変化手順1)смартфон の性・数は、男性単数なので、которыйは男性名詞修飾形。
語形変化手順2)смартфонの格は、Apple недавно выпустила ----- .の文中で対格である。
・・・・・・・・つまり、который格形は、対格形となる。
語形変化手順_決定;したがって、例文での形は、кото́рый となる。

 

では、下のような例文をロシア語にするとどうなるか考えてみてほしい。

 

1)私は、とても速く動くスマホを探している。  主格 + работает очень быстро
2)私は、友達が買ったスマホを探している。   купил +対格
3)私は、慣れているスマホを探している。    привык к +与格
4)私は、画面が大きいスマホを探している。   у +生格 есть большой экран
5)私は、アプリが入っているスマホを探している。в +前置格 есть приложение
6)私は、オフィスで使うスマホを探している。  я работаю с +造格

 

1) Я ищу́ смартфон, который очень быстро работает.
2) Я ищу́ смартфон, который купил мой друг.
3) Я ищу́ смартфон, к которому Я привык.
4) Я ищу́ смартфон, у которого большой экран.
5) Я ищу́ смартфон, в котором есть приложение.
6) Я ищу́ смартфон, с которым Я работаю в офисе.

 

 

つまり、который を考えるとき、探しているのが「スマホ」であれば、
男性名詞「スマホ」を修飾する形 который を、説明文内での格に合わせて変化させる。
買ったものが「本」なら女性名詞修飾形から格に合わせて変化させればいいし、
買ったものが「リンゴ」なら中性名詞修飾形から格に合わせて変化させればいい。
買ったものが、複数であるのなら、複数名詞修飾形から格に合わせて変化させればいい。

 

ところで、“к которому”, ”у которого”, ”в котором”, с которым”,のように、
前置詞を伴うときの語順を確認しておこう。

 

・1)Я ищу́ смартфон.     私はスマホを探している。
・2)Я привык к смартфону.    私はスマホに慣れている。
・1)+2)Я ищу́ смартфон, к которому Я привык.
               わたしは慣れているスマホを探している。

 

補足①:生物名詞, который +説明文

では、探しているのが「スマホ」ではなく、「学生」の場合を見てみよう。

 

1)私は男子学生/学生たち/女子学生を探している。
       Я ищу́ студе́нта / студе́нтов / студе́нтку.
ここで注意してほしい点は、生物名詞の場合の格の語形変化である。
男性単数の場合の対格形は、生格形と同形である。(主格形≠対格形)
男女複数の場合の対格形も、生格形と同型である。(主格形≠対格形)
女性単数の場合は、通常通りである。

 

 

では、「私は昨日見かけた男子学生/学生たち/女子学生を探している」はどうなるか?
まず、主文での「学生」の性と数を決定し、次に、説明文内での「学生」の格に合わせて
которыйを語形変化させる。説明文内での「学生」の格は「見かけた」の対格である。
2)私は昨日見かけた学生を探している
男子学生単数 Я ищу́ студе́нта, кото́рого я ви́дел вчера́.
男女学生単数 Я ищу́ студе́нтов, кото́рых я ви́дел вчера́.
女子学生複数 Я ищу́ студе́нтку, кото́рую я ви́дел вчера́.

 

 

別の例を見てみよう。主文が「私は男子学生/学生たち/女子学生と話した」の場合。
3)私は男子学生/学生たち/女子学生と話した。
男子学生単数 Я поговори́л со студе́нтом.
男女学生複数 Я поговори́л со студе́нтами.
女子学生複数 Я поговори́л со студе́нтками.

 

では、「私は昨日見かけた男子学生/学生たち/女子学生と話した」はどうなるか?
説明文内での「学生」の格は、2)と同様なので、которыйの語形変化も2)と同様。
男子学生単数 Я поговори́л со студе́нтом, кото́рого я ви́дел вчера́.
男女学生複数 Я поговори́л со студе́нтами, кото́рых я ви́дел вчера́.
女子学生単数 Я поговори́л со студе́нтками, кото́рую я ви́дел вчера́.

 

補足②:「学生の両親」「スマホの画面」などの言い方

では、「私は、両親が日本に住んでいる学生と話した。」という文はどうなるだろうか。
男子学生単数 Я поговори́л со студе́нтом, роди́тели кото́рого живу́т в Япо́нии.
男女学生複数 Я поговори́л со студе́нтами, роди́тели кото́рых живу́т в Япо́нии.
女子学生単数 Я поговори́л со студе́нткой, роди́тели кото́рой живу́т в Япо́нии.

 

以上のように、「学生」と関係詞の間に「両親」という単語が割って入る形をとる。
ただし、この形は書き言葉的な言い回しであり、日常会話的ではない。
このような形で説明する場合のバリエーション(男子学生単数)は以下のとおり。

 

書き言葉:Я поговори́л со студе́нтом, роди́тели кото́рого живу́т в Япо́нии.
説明口調:Я ищу́ студе́нта, у кото́рого роди́тели живу́т в Япо́нии.
日常会話:Я поговори́л со студе́нтом. Его́ роди́тели живу́т в Япо́нии
付足口調:Япоговори́л со студе́нтом, чьи́ роди́тели живу́т в Япо́нии.

 

以上、関係詞  который  に関して説明した。次は、чей、続けてкако́йを見ていこう

 

関係形容詞 чей について

 

чей の語形変化と疑問詞としての使い方を確認する。

主格形 対格形 与格形 生格形 前置格形 造格形
男性修飾形 чей чей чьему́ чьего́ чьём чьи́м
中性修飾形 чьё чьё чьему́ чьего́ чьём чьи́м
女性修飾形 чья чью чьей чьей чьей чьей
複数修飾形 чьи чьи чьим чьих чьих чьи́ми

例)これはだれの家ですか。 Чей э́то дом?

 

疑問詞としての「чей
чей дом?/ Чей э́то дом?           誰の家?/それは誰の家ですか?
чья́ маши́на?/чья́ э́то маши́на?       誰の車?/それは誰の車ですか?
чьё письмо́?/ Чьё э́то письмо́?        誰の手紙?/それは誰の手紙ですか?
чьи́ роди́тели?/ чьи́ э́тироди́тели? 誰の両親?/それらは誰の両親ですか?

 

関係詞としての「чей
以下の例文の1)と2)は人間関係について言うとき、
以下の例文の3)と4)は話題の人の所有物や、物の所属について言うときの表現。

 

1)こちらは、学生が日本語を習っている私の先生(男)です。
      Это мой преподаватель, чьи студе́нты изуча́ют японский язы́к.
2) 私は、娘さんがロシア人と結婚した日本人女性と知り合いになった。
      Я познакоми́лся с япо́нкой, чья дочь вы́шла за́муж за россия́нина.
3)私は、パソコンを教室に置いていった学生を探しています。
      Я ищу́ студе́нта, чей компью́тер оста́лся в аудито́рии.
4)これはオフィスが世界中にある有名な会社だ。
      Это изве́стная компа́ния, чьи́ о́фисы е́сть по всему ми́ру.

 

人間関係や、所有・所属について言うときは、
которыйよりもчейのほうが、日本語母語話者にとっては圧倒的に言いやすいから、
日常会話ではчейを使う方をお勧めする。

 

関係形容詞 како́й について

како́йの語形変化と疑問詞としての使い方を確認する。

 

како́й どんな?;「どんな物であるか」について尋ねる場合に使う。形容詞的な疑問詞

主格形 対格形 与格形 生格形 前置格形 造格形
男性修飾形 како́й како́й како́му како́го како́м каки́м
中性修飾形 како́е како́е како́му како́го како́м каки́м
女性修飾形 кака́я каку́ю како́й како́й како́й како́й
複数修飾形 каки́е каки́е каки́м каки́х каки́х каки́ми

 

како́й который の違い
1)Како́й смартфо́н? どんな(どの)スマホ?
2)Како́й челове́к?  どんな(どの)人?

 

日本語の感覚で「どんな?」と「どの?」を比べた場合は、
「どの?」は、「いくつかの選択肢の中の一つ」について尋ねるときに使い、
「どんな?」は、外見や性質などのイメージについて尋ねるときに使うだろう。

 

ロシア語の場合、語感としては日本語とそう違いはないものの、
日常会話での頻度からすると、「どの?」も「どんな?」も、како́йを使うことが多い。
疑問詞としてкоторый?を使うときは、非常に限定的である。
一方、関係詞として使う場合は、которыйが頻繁に使われ、како́йを使うことは多くない。

 

како́йを関係詞として使うときの一例を挙げる。
私は、私に必要なスマホを探している 
Я ищу́ смартфо́н, како́й мне ну́жен.

 

どんなスマホがまだ決まってはいないが、必要という非常に曖昧な条件であれば使える。
ちなみに、より自然なのは、文を一つにまとめず、二つの文で言う。

 

私はスマホを探している。私には必要だ。  
Я ищу́ смартфо́н. Он мне ну́жен.

関係副詞

 

関係副詞とは

関係副詞について説明する前に、まず、副詞について確認する。(太字__部分が副詞)
1)Я рабо́таю здесь
2)О́чень ми́лая ко́шка
3)О́чень интере́сно!
副詞とは、上の1)、2)、3)のように、
動詞を修飾したり、形容詞を修飾したり、副詞を修飾したりする語である。

 

4)Я рабо́таю в кафе́.
例文4)の「カフェで」は、「語」ではないので、「副詞」ではなく「副詞句」という。

 

以上をふまえて、関係副詞について、下の例文で説明する。
5) Зде́сь кафе́, где я рабо́таю.
関係副詞 где は、「働く」という動詞を修飾する副詞である。
где の意味は「場所で」で、その場所は、主文にある「カフェ」である。

 

関係副詞には以下のようなものがある。

・場所で/に где 
・場所へ/から куда / откуда
・時 когда
・方法 как
・理由 почему/зачем

ちなみに、関係副詞は語形変化しない。
関係形容詞は名詞を修飾するから、名詞の格変化に合わせて語形変化するが、
関係副詞は、名詞を修飾しないので、語形変化しない。

 

場所の関係副詞

где;場所で/場所に

1)Э́то кафе́, где я рабо́таю.
 ここは、私が働いているカフェです。
2)Я люблю́ дом, где я сейча́с живу́.
 私は、いま住んでいる家が好きだ。
3)Мы вспомина́ли шко́лу, где мы учи́лись.
 私たちは、私たちが学んでいた学校を思い出していた。

 

куда́;場所へ

1)Я люблю́ дом, куда́ мы пере́ехали.
 わたしは、私たちが引っ越した家が好きだ。
2)Э́то до́рога, куда́ я иду́.
 これが、私が進む道だ。
3)Мы вспомина́ли ме́сто, куда́ мы ча́сто ходи́ли.
 私たちはよく通った場所を思い出した。

 

отку́да;場所から

1)Я зна́ю страну́, отку́да он прие́хал.
 私は、彼女がどこの国から来たかを知っている。
2)подскажи́те ме́сто, отку́да ви́ден Фу́дзи.
 富士山が見える場所を教えて。
3)Э́то иде́я, отку́да всё нача́лось.
 これが、すべての起点となったアイディアだ。

 

 

時の関係副詞

когда;日、時など

1)Сего́дня пя́тое ма́я, э́то день, когда́ мы пожени́лись.
 今日は5月5日で、私たちが出会った日です。
2)Я никогда́ не забыва́ю то вре́мя, когда́ мы бы́ли вме́сте. 
私は、彼と一緒に過ごしたあの時間を決して忘れない。
3)Э́то был моме́нт, когда́ всё измени́лось.
 それは、全てが変わった瞬間だった。

 

 

方法の関係副詞

как;どのように、方法

1)Э́то спо́соб, как он э́то сде́лал.
 それが、彼がやった方法だ
2)Учитель объясни́л приём, как реша́ть э́ту зада́чу.
 先生は、その問題を解くコツを説明した。
3)Зде́сь напи́сано, как пода́ть зая́вку на ту́р.
 ここに、ツアーの申し込み方が書いてあります。

 

理由の関係副詞

почему;なぜ(現在や過去の理由や原因)

1)Э́то причи́на, почему́ он ушёл.
 それが、彼が去った原因だ。
2)объясни́те причи́ну, почему́ э́то случи́лось.
 なぜそれが起きたのかという理由を説明して。
3)У него́ есть причи́ны, почему́ он так ду́мает.
 彼にはそう考える理由がある。

 

зачем:何のために(現在や将来の目的)

1)Э́то цель, заче́м он изуча́ет ру́сский язы́к.
 これが、彼がロシア語を勉強している目的です。
2)Мы обсу́дили цель, заче́м ну́жно э́то де́лать.
 私たちは、何のためにそれをやる必要があるかを話し合った。
3)У него́ есть иде́я, заче́м э́тот прое́кт ну́жен.
 彼には、そのプロジェクトが必要な目的がある。

 

 

関係副詞 と 前置詞+который

関係副詞を使って言う文を、前置詞+которыйで言うこともできる。
Э́то кафе, где я рабо́таю(口語的)
Э́то кафе, в кото́ром я рабо́таю(書き言葉的)
上の例以外の他の関係副詞のほとんどは、前置詞+которыйで言い換えられる。
ただし、前者が口語的、後者が書き言葉的であることは覚えておいたほうがいい。