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ロシア語のアルファベット

キリル文字を覚えよう!
名前 [á] [bé] [vé] [gé] [dé] [jé] [jó] [ʒé] [zé] [í] [j]※1
印字体 А а Б ь В в Г г Д д Е е Ё ё Ж ж З з И и Й й
手書き А а Б ь В в Г г Д д Е е Ё ё Ж ж З з И и Й й
名前 [ká] [él] [ém] [én] [ó] [pé] [ér] [és] [té] [ú] [éf]
印字体 К к Л л М м Н н О о П п Р р С с Т т У у Ф ф
手書き К к Л л М м Н н О о П п Р р С с Т т У у Ф ф
名前 [xá] [tsé] [tʃʼé] [ʃʹá] [ʃʼʃʼá] ※2 [ɨ] ※3 [é] [jú] [já]
印字体 Х х Ц ц Ч ч Ш ш Щ щ Ъ ъ Ы ы Ь ь Э э Ю ю Я я
手書き Х х Ц ц Ч ч Ш ш Щ щ Ъ ъ Ы ы Ь ь Э э Ю ю Я я

※1;「短い『イ』」と呼ばれるもので、ロシア語名は、イ クラートカエ и кра́ткое
※2;「硬音記号」と呼ばれるもので、ロシア語名は、トヴョールドィ ズナーク твёрдый знак
※3;「軟音記号」と呼ばれるもので、ロシア語名は、ミャーフキー ズナーク мя́гкий знак

ロシア語の音韻体系

・母音;10個=硬母音5個+軟母音5個
・子音;21個=有声無声音の対立があるもの12個+ないもの9個
・曖昧音;2個=硬音1個+軟音1個

 

母音

硬母音;「あ」「ぅい」「う」「ぁえ」「お」

発音 [á] [ɨ] [ú] [é] [ó]
文字 А а Ы ы У у Э э О о

 

軟母音;「や」「い」「ゆ」「ぃえ」「よ」

発音 [já] [í] [jú] [jé] [jó]
文字 Я я И и Ю ю Е е Ё е

 

 

子音

・有声音と無声音の対立が有るもの

発音 [p] [b] [s] [z] [ʃʹ] [ʒ]
音種 無声 有声 無声 有声 無声 有声
文字 П п Б ь С с З з Ш ш Ж ж
発音 [f] [v] [t] [d] [k] [g]
音種 無声 有声 無声 有声 無声 有声
文字 Ф ф В в Т т Д д К к Г г

 

・その他の子音

発音 [m] [n] [r] [l] [ʃʼʃʼ] [tʃʼ]
音種 鼻音 鼻音 ら音 ら音 摩擦 破擦
文字 М м Н н Р р Л л Щ щ Ч ч
発音 [ts] [x] [j]
音種 つ音 は音 短「い」
文字 Ц ц Х х Й й

注意;鼻音の場合は鼻に抜ける道が開く

 

曖昧音
発音 [ʼ] [ʼ] [ə] [ə]
文字 Ь ь Ъ ъ

[ʼ];口の構えを「い」で発する(軟)曖昧音。
[ə];口の構えを「う」と「あ」の中間で発する(硬)曖昧音。

 

 

発音位置

口腔断面

 

 

発音位置

口腔断面

ロシア語の母音の発音

母音は10個。「あ・い・う・え・お」の硬いもの5個と軟らかいもの5個。
母音の発音のポイントは3つ。唇の形、開口度、舌の位置

 

硬母音
文字 発音 口の構え;日本語と比べて 発音のコツ
А а [á]

唇の形;ほぼ同じ
開口度;やや開く
舌位置;やや先寄り

日本語の「あ」よりもはっきり響くように発音する。
Ы ы [ɨ]

唇の形;やや平たく
開口度;ほぼ同じ
舌位置;かなり奥

日本語の「い」を発音しながら舌を喉奥側に引いて「う」の音を混ぜて出すイメージ。
У у [ú]

唇の形;かなりすぼめる
開口度;ほぼ同じ
舌位置;やや奥

唇は、口を尖らせておちょぼ口にする。日本語の「う」よりも喉側奥で響かせる。
Э э [é]

唇の形;ほぼ同じ
開口度;やや開く
舌位置;やや先寄り

日本語の「え」よりもはっきり響くように発音する。
О о [ó]

唇の形;より丸く
開口度;ほぼ同じ
舌位置;ほぼ同じ

唇の形は、日本語の「お」よりも緊張させてまん丸にする。

 

 

軟母音

「軟らかい母音」とは、小さい「ぃ」+母音となるものを言う。
例えば、日本語の「や」と「あ」を繰り返して発音してみよう。
「や」を発音するとき、舌が瞬間的に上先側に盛り上がりと同時に口が閉じるのがわかる。
つまり、この動きをしているときが、小さい「ぃ」つまり、[j]を発音する動きである。

文字 発音 口の構え;日本語と比べて

Я я
Ю ю
Е е
Ё ё

[já]
[jú]
[jé]
[jó]

瞬間的に小さい「ぃ」を作ったあと、
硬母音の口の構えをする。

И и [í]

唇の形;かなり両側に引く
開口度;ほぼ同じ
舌位置;ほぼ同じ

 

 

母音の強弱

母音の強弱は、ロシア語発音の重要な要素なので特に注意してほしい。
ロシア語の単語を言うとき、アクセントのある母音の音節部分を強くはっきり発音する。
言い換えれば、他の部分の音節の母音は、弱くテキトーに発音するということだ。
例えば、Ударе́ние は、ре́ の母音ははっきりと、Уда---ние 部分の母音はぞんざいに発音する。
ちなみに、Ударе́ние の意味は、「アクセント」である。

文字 強い音 弱い音
А а [á] [ə]
Ы ы [ɨ] [ɨ](弱く)
У у [ú] [u](弱く)
Э э [é] [e](弱く)
О о [ó] [a] [ə]
文字 強い音 弱い音
Я я [já] [ɪ]
И и [í] [i]
Ю ю [jú] [ju]
Е е [jé] [ɪ]
Ё ё [jó]

×

弱化しない

Ы ы У у Э э И и Ю юについては、あまり変わらない。口の緊張が若干緩む程度。
О оは弱化すると、アクセント部分から見た相対的位置によって[a] [ə]になる
 例)それ оно́ [anó], 牛乳 молоко́ [məlakó]
Е е Я яは弱化すると[ɪ]、つまり、弱い「ぃ」で発音する。
Ё ёは、Е еにアクセントが置かれることで変化した音なので、弱化はそもそもあり得ない。

ロシア語の子音の発音

ここでは、特に説明が必要となるものだけに限ってとりあげる。

 

С / З
音種 無声 有声
発音 [s] [z]
文字 С с З з

日本語の「さすせそ」「ざずぜぞ」に当たる。
決定的な違いとして、
日本語の場合は、舌先が上側歯茎裏に瞬間的に触れるが、
ロシア語の場合は、絶対に触れないので、
舌先を上げず、下歯茎につけたまま音を出す練習が必要。

口腔断面

 

Ш / Ж
音種 無声 有声
発音 [ʃʹ] [ʒ]
文字 Ш ш Ж ж

日本語の「しゃ行」「じゃ行」に当たる。
決定的な違いとして、
日本語の場合は、舌先と上側歯茎の隙間だけで作る音だが、
ロシア語の場合は、舌先に加えて喉の奥も狭くして、
口腔中程でこもるような息の滞留を作って音を出す。

口腔断面

 

Щ / Ч
音種 摩擦 破擦
発音 [ʃʼʃʼ] [tʃʼ]
文字 Щ щ Ч ч

日本語の「し」「ち」に当たるが、イメージとしては、
「しし」「んち」のように、発音前に半拍の音がある感じ。
この2つの音は、摩擦音(舌が上側に触れずに息が出る)と
破擦音(瞬間的に触れた後、息が出る)のペアを成す。
まず音を出す前に、上下の唇を剥き、舌を緊張させて固定。
Щの場合は、そのまま息を鋭く出す。
Чの場合は、瞬間的に舌が上側に触れた後、鋭く息を出す。

口腔断面

 

Р / Л
音種 ら音 ら音
発音 [r] [l]
文字 Р р Л л

日本語の「ら」行音に当たる
[r]音は、舌先を震わせる。器用な人は練習すればできる。
[l]音は、舌先を軽く噛み舌先と口腔上側からの息を止める。
そうして、息が舌の両脇から息を出すようにする。
図は[l]音のものである。

口腔断面

 

Х
音種 は音
発音 [x]
文字 Х х

日本語の「は」と「か」の中間音に当たる
「は」の発し方で、舌は「か」の位置。
ただし、上側には触らない。
「冷たい手に暖かい呼気を当てるときの『ハー』」などの
ように例えられる。

口腔断面

 

Н
音種 鼻音
発音 [n]
文字 Н н

日本語の「ん」は、実は音声的に数種の異なる音から成ることを知っておこう。
例えば、「かんたん」と何度も言って、自分の舌がどうなってるか確かめてほしい。、
すると、「かん」の「ん」は、舌先を上歯茎裏につけて発音[n]しているが、
「たん」の「ん」は、のどの奥でふわっと発音[N]していることがわかるだろう。
ロシア語の「ん」は、[n]で全て発音する。

口腔断面

 

 

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